――今朝もいのりの記憶を見た。 私がチカに「好き」と言ったら、 「俺も」と言われ、抱きしめられた。 ……思い出すと、体の熱が上がる。 頬がまた火照った気がした。 幸せが溢れんばかりの記憶と、あまりにもリアルな感覚。 まるで、本当に抱きしめられたみたいな。 ……いや、違う。 これはいのりの記憶であって、私の記憶ではない。 私の中にいのりの記憶があるわけだけど、 実際に私が経験した訳ではなくて…………。 ああ、もう訳わかんなくなってくる!