「それ、菜々美ちゃんが作ったんですよ。美味しいでしょ?」 「……いや」 コト、とスープの入ったお椀が置かれた。 「口に合わない」 ……え? 「……え? ……ああ、先生トマト嫌いですか?」 先輩のフォローに、先生は無言だ。 トマトが嫌い? そんな訳ない。 いのりが作り方を知ってるってことは、チカのために作ってたってことだ。 何? 意味分かんない。 なんでそんなに拒絶されなきゃいけないの。 絶対、そうゆう意図を持って言ったでしょ。