「あの、先生はいのりのことを……」 「いのりなんて奴は知らない!」 “好きでしたか?”最後まで言わせてもらえなかった。 “好きだったよ”と返ってくることを期待して発した言葉は、言い終わることなく闇に消えた。 ……知らないって何? そんな訳ないじゃん。 『いのり』『いのり』って、何度も私を呼ぶくせに。 抱きしめたりキスしたりしてたくせに。 チカ。チカ。 泣きそうになった。 チカ。チカ。 追いやったはずのいのりが顔を出したから。