その後、洸ちゃんは珍しく無口になった。
家まで後少し。
そのタイミングで、洸ちゃんは切り出した。
「あの、さ……ななの好きな人って誰?」
「ん? ああ、さっきの話?」
洸ちゃんの方を向くと、目を逸らされた。
顔が赤く見えるのは、夕日のせいだろうか。
「んー、内緒ぉ!」
まさか先生とは言えないし。
しかも今日担任になったばかりの。
「本当に、好きなのかよ」
そう言われると。
んー、菜々美としてはどうなんだろう。
でも、私といのりは一心同体だから。
いのりが幸せならきっと私も幸せなんだ。
「大事にしたいとは思ってるよ、この気持ちを」
いのりの気持ちを。
