「……菜々美ってさ、」 「ん?何?」 「好きな人いるの?」 「え、何さいきなり。……ちょっと洸ちゃん大丈夫?」 洸ちゃんがアイスコーヒーを飲みながらむせたので、おしぼりを差し出す。 ……好きな人、か。 いのりの気持ちを有りにしてもいいのかな。 ……いいよね。 いのりの気持ちは、私の気持ちなんだから。 “チカ” 私は今日初めて出会ったけれど、ずっと前から知っている人。 思い出すだけで、私の心臓をドキドキさせる人。