「えっと、その席は……木原?」 数秒の沈黙を破ってくれたのは先生だった。 やっとの思いで顔を上げる。 再び目が合って、確信した。 オールバックにしたダークブラウンの髪。 くっきりとした二重。 唇の端にちいさなホクロ。 整った顔のイケメン。 記憶よりも随分大人びて、雰囲気こそ変わっているが、間違いない。 ……チカだ。 ずっと想ってきた人だ。