最初に、すらりと伸びた長い足が教室に入ってきた。 「はい、静かに」 教室中に響く声を発しながら、教卓に立ち、 一瞬、目が合った。 ――この人……!! 頭で理解するよりも早く、体が動いた。 いのりが乗り移ったと、本気で思った。 「チカっ……!!」 椅子を蹴倒す勢いで立ち上がり、そう叫んでいた。