瞬間、なんだか目眩がした。 立っていられなくなって、壁にもたれてしゃがみこんだ。 「……なな?」 洸ちゃんが気付いて顔を覗きこんでくる。 「どうした?顔色悪いぞ」 「……ちょっと、クラッてしただけ。大丈夫」 「無理すんなよ。保健室連れてく」 私が断る隙を与えずに、洸ちゃんは支える体制に入る。 「……ありがと」 小さく言って、その腕に軽く身を預けた。