大好きな人が目の前にいるのに、それを避けながら学校生活を送るというのは、想像していた以上に辛かった。 顔を見れば身体が熱を帯びて、 声を聞けば耳がくすぐったくなって、 目が合えば胸が高鳴る。 それらを全部、気付かないフリして平然と過ごす。 先生の前ではただの生徒になる。 簡単なようで、簡単じゃない。 少なくとも、私といのりにとってはちっとも簡単じゃなかった。