「……その日はさ、2人の16歳の誕生日だったんだよ。前の日から『デートするの』っていのりが嬉しそうに言っててさ。 ……でも、それが最期だった。生きてるいのりに会ったのは」 空気が変わる。 私の表情も硬くなった。 「人を助けようとして車にはねられたらしくて。……誓の目の前で」 誓の目の前で。 その言葉に耳を塞いでしまいたい気分になった。 そういえば、先生は血が苦手だった。 見て震えが止まらなくなるほどに。 きっと、いのりの事故のトラウマがまだ先生には残っている。