奪いとれっ!!

「でも安心して。ここは安全だし警察にも連絡してないから」


「.....よくわからないな....」


無理もなかった。獅倉くんの意識は路地で途絶えているんだから。






「あのね、私ね......」




言いかけた時、


"ガチャ"


ドアが開いて遼さんが入ってきた。


「あっ、遼さん。獅倉くんが目を覚ましたの」


一瞬『なに?』って顔をして、遼さんはベッドに近づいて来ると、黙ったまま獅倉くんを見つめた。


「獅倉....だと?」


.....遼さん?



「......ありがとうございます」


獅倉くんはゆっくりと体を起こすと頭を下げた。


「.....いや、いいんだ。具合はどうだ」


「はい、だいぶ楽になりました」


「そうか。......良かったな」



なんだかいつもの遼さんらしくない。

だって、『どうだー?元気になったかぁ?』みたいなのを想像していたから....。

普段の遼さんなら絶対そう言うと思うし。


淡々としていてちょっと冷たい。今日の遼さんは.....。