奪いとれっ!!

「あんた、傘持って....なさそうだな?」


「はい」


小さくうなずく。



雨は激しさを増している。

雷の音もだいぶ近い。


バチバチとトタン屋根を叩く音と、水しぶきがあたりを包む。


気温が一気に下がり肌寒さも感じる。


身震いする私を黙って見ていた獅倉くんは、小さくため息をつくと、


「とりあえず、入れよ」


そう言って玄関のドアを開けてくれた。



「お邪魔します」



中に入ると、キッチンとその先に畳の部屋があるのが見えた。


家族の人は見当たらない。