夜の駅は帰宅を急ぐ学生やサラリーマンでごった返していた。


「満員電車、嫌だな」


ぽつりと呟く。

元々電車通じゃないし、ギュウギュウの中で帰ってもし監視役さんがいたら堅斗と別れなくちゃいけない。

もう少し一緒にいたかった。



「じゃ駅の端まで行こうか?」


「うん?」

首を傾げる私。



「ここじゃ人の出入りが多いくて落ち着かないし、電車がすくまでそっちで時間潰そうか?」


「うん!」



駅の端っこはベンチなどは無く、
さびた駅名標が立っているだけで、なんとなく寂しい。


「これ、寄りかかっても壊れないかな?」


一部が崩れてるブロック製の塀に触る。


「案外頑丈にできてるんじゃないか?」


.....他愛のない会話。


それすらが幸せで....。