「優実さん、お世話になりました」

1階に降りると制服にエプロンをした優実さんにペコリと頭を下げる。


「また、遊びに来なよ。あんた一人だって歓迎するしさ」


「はい。またお兄さんのラーメンも食べたいし」



「美味かっただろ。堅斗もたまには顔出せよ」

お兄さんは堅斗の肩を叩く。


「はい」

堅斗も嬉しそうに答えた。



優実さんとお兄さんに別れを告げて、夕闇迫るなか私たちは駅へと向かった。


「いい人たちだね」


「ああ、浩史(ひろし)さんは俺の兄貴なんだ」


「うん、優実さんから聞いたよ」


「そっか.....って優実ほかに何か言ってなかったか?」


うん?堅斗焦ってるみたいだけど?


「.....元カノの事とかかな?」


「おい、なんて言ってた?」


ちょっと意地悪しちゃおっかな~?