奪いとれっ!!

大事な話?


「.....座れよ」


命令に従うのは不本意だけど、
私はドアに一番近いソファーに座った。


何かあったらすぐに逃げ出せるように。



「婚約.....あれは嘘だ」


「嘘っ?!やっぱりっ!!」


思わず立ち上がってしまった。



「そ、ただし本当でもある」


嘘?ホント?
いったいどっちなの?


「先輩のお姉さんと別れるための嘘ってこと?
でもホントの意味は?」


「婚約の話、お前の親はほぼ了承してるけどな」


ちょっとまって。
日本語が理解できない。


「この俺だぞ、いったいどんな不満があるんだよ。将来は岩清水建設の社長だ。そしてお前は社長夫人」


確かに遼さんはお金持ちでイケメン。

だからって、好きになる理由はそれだけじゃ決められないでしょ。


「お前との結婚を申し出たら、お前の親は喜んでたけどな。
ただ、『娘に確認したいし、高校を卒業するまでこの話は待ってくれ』と言ってたな」


それで私が知らないんだ。

でもそれを婚約だなんて言葉のアヤってか、言い過ぎじゃない。


遼さんは自分で入れたワインを一口飲む。