「俺の婚約者に何の用?」


遼さん.....いつの間に?


驚く私たちを気にすることもなく、遼さんは私の隣まで歩いて来ると、肩に手を回してきた。


その行動がすでに私たちを面食らわせているんだけど。


それでも香織先輩は遼さんに立ち向かった。


「北畠さんに聞いていたんです。あなたとの婚約のこと」


「へー?」



『でっ?』って顔をして香織先輩を見る遼さん。

相手を威圧するような態度だ。




「婚約、嘘だそうですね」

「そうよ、そんな嘘ついてどういうつもりなの?」



遼さんはニヤリと口元をゆがめた。


私はそれを見て背筋が凍った。


「嘘じゃないさ、俺と瑠理香は婚約してる」