奪いとれっ!!

ベンチに座ると、しばらく目の前を歩く人波を二人で眺めていた。

切り出すタイミングがつかめないまま時間が無駄に過ぎる。


.....


私は思い切って口を開いた。

「えっと、先輩さっきの話なんですが、
私が遼さんと婚約してるって...」


「そうよ、確かに聞いたわ」


「それって何かの間違いだと思うんですけど、だって私知りません」


「そんなはずないわっ!!!
あっいえ....そんなはずないと思うの」


先輩は缶コーヒーをゴクゴクと一気に飲み干した。



「普通婚約って、お互いの合意でするものだと思うんですよね。
私、合意してないし、立ち会ったこともないし.....?」

実際首をかしげることしか出来ない。