ラケットdays

2ページ前と同じ書き出しになることを先に謝ろう、すまない。
卓球部に入り、異質攻守型になるとは決めたもののそれ以外はなにも知らなかった。そもそもルールは教えてもらってはいるものの理解してなかった。が、遠山先輩が

「覚えることはたくさんあるけど必要になったら教えるよ。今日はサーブ練習しかしないから。サーブは分かるね?なら、大丈夫だ。」

と言っていたのでサーブ練習をしている。卓球のサーブはバトミントンやバレーそしてテニスなどとは少し違う今挙げたスポーツはボールをトスしたら次にバウンドするコートは相手のコートだったはずだ。卓球はトスしたらまず自分のコートに1バウンドさせてから2バウンド目を相手のコートにおとす。1バウンド目を相手のコートにしたのなら失点だ。相手は2バウンド目直後に打つのがルール。これをレシーブというらしいがまた今度出てくるはずなので説明は次回に回すのが正しいかもしれない。
サーブは大きく分けて3種類覚えておけばいいという。
まず、上回転。そして下回転、最後に横回転。ちなみにサーブを教えてくれた先輩は俺、洋一、彼方、それぞれ違う先輩だった。戦型によってサーブの出し方は違うらしいし持ち方も変わってくるのだから当たり前なのだけれども。そして学年が近い方が親しみやすいだろうということで彼方には中2の藤田先輩、俺には中2の御山先輩、洋一には高本先輩が付いていた。まぁ、洋一のカット型は洋一含め、3人しかいないので選ぶと言っても高1の先輩か高2の先輩で大差はないが。万騎は

「俺、もうわかります。」

と言って先輩なしで一人でサーブ練習中だ。
さて、サーブだが一応体育の教科書のルールを読んだところで俺が勝手に思ってることかもしれないが卓球のサーブのルールは厳しい。
卓球のサーブは手を完全に広げ手のひらにボールを乗せ台より上で16㎝以上トスし、台より上の位置の時にうつ。
とまぁ、意識するとこんな感じだが先輩方はいとも簡単にサーブの見本を見せてくれる。
御山先輩は言う。

「俺はサーブは大切だと思う。もし、早いサーブで相手が取れなければそれだけで俺は1点貰える。もし、難しいサーブを出して相手がレシーブに失敗すれば球が浮くかもしれない、そうすればスマッシュが打てる。だから俺はサーブを大事にしている。」

なるほど、そう言われればサーブは大切かもしれない。

「そういえばだがスマッシュは分かるな?」

これもルールを読んで大体は把握している。

「なんとかわかります。」

まぁそんなわけでサーブ練習のスタートは切られた。あとは各々が練習するだけ。時々中1は先輩にアドバイスをもらいつつ…。これは洋一と彼方からあとから聞いた話だがシェイクハンドの上回転の出し方とペンホルダーの上回転の出し方がどうも同じような感じらしく、面白がっていた。
洋一と彼方には面白がってもらって結構なのだが俺は俺で問題があった。サーブができない。否、入るが高い兼遅いので2球目攻撃でやられそうだ。2球目攻撃とは相手がサーブのとき一発で決めること。つまり、1回目のレシーブで決めること。高い球を出してしまうとスマッシュの2球目攻撃されるかもしれない。ちなみにスマッシュとは勢いよく打つことであり返されることはあまりない、らしい。ルール本と先輩の知識で俺がやったわけではないのでなんとも言えんが。
彼方と洋一は初めてらしいが先輩と同じようなサーブを出している。俺もしかして才能がないのかもしれない。いやいやいや、マイナスに考えるのはよそう。