プリシストからシステアまでは数十kmある。グレースフィアよりかはまだマシだが、街中を通らなければならず、商売人は私達に買うように勧めてくる。
「人間っつー生き物はどうもこうも煩いんだ…」
「カイルデンは基本的に治安はいい筈ですが…」
「無い人は無いんですよ…。私のパパもママも借金抱えまくりで…だから私は教団で働いて…」
「パトラス…」
「家々に事情は付き物だな…」
「そうですわね…」
「リオナは何も無かったの?」
「うち?村は平和だったし、お母さんがああならなければ何も無かったのになぁ…その代わり、ルミに会えたんだけどねー」
「僕には何も無くて良かった良かった…とは言えないしな。精霊も天使も人間もみんな訳ありだな」
「…そうだな」
そんな話をしていると
「システアの紋章ですよ。イム様!システアに着きましたよ!」
「そうですね」
「ここが…」
「システアですの…?」
私の見た光景は、雲の上に行きそうな高い所に城らしきものが見えその下には様々な機械が動いて見える
「システアは機械専門の都市で、今でも機械化を目指して色んな所で機械が動いているんだけど、その機械全て歯車を使って電力の様にしているから、彼方此方に歯車が見られるの」
「すごく詳しいですわね!」
「凄いでしょ!」
「凄いですわ!パトラス!」
「大体の都市の説明ならできるんだ!」
「驚きだな。人形師である子供が…」
「ムッ…マオ。子供扱いしないで?私こう見えて16何だから!」
「なっ…」
「ふっふっふー」
「そういう所はやっぱり子供だな」
「むぅ…」
「取り敢えず宿を取っておこう。後で困らないようにな」
「そうですわね…」
「金を考えて決めてくれよ…」