初恋は線香花火


「んじゃ、また」


「ん」


小さく手を振る。



下り階段のところで別れるのがいつもの流れ。



もっちーと来た朝は少し気持ちがはずんで、階段を降りる足どりもなんだか軽い。



赤いイヤホンから流れ出す最近流行りの音楽はそっと私の背中を押して、



更に、加速させる。




今から乗る満員電車が嫌だななんて微塵も感じないくらい、調子がいい。




これって恋なのだろうか?










多分否。