初恋は線香花火


「みのちゃん…言いにくいな、いうならみのり?」



「何いってんの、けいとくん」



2人で顔を見合わせて吹き出す。



ああ、この人だったら付き合ってもいいかもしれない。




恋ができるかもしれない。





「そういえばさー赤いパーカー欲しいんだよね。クラスの男子が昨日何人か着ててかっこいい…ってなった」



小さい頃はパステルカラーが好きだった。薄いピンクとか水色とか。



でも今は黒とか白とか赤が好き。




はっきりしてて気持ちいい。




「あ、それ僕も欲しいと思ってた」



「まじで!?お揃いで買って今度学校に着てこよっか」



「それはまじで疑われるから勘弁」



「そりゃそうだ」




ポンポンと軽いリズムで流れていく会話。




朝の眩しい光と揺れが心地いい。