握りしめるその手に
俺は何も言えない
かすかに背後で震える
空気も感じながら・・・。
漣さんはそのまま
すうっと落ちていった
漣さんを二階まで
運ぶのは至難の業で
なんとかソファーまでは
運んでタオルをかけた
「おやすみなさい。」
その赤くなって目が
明日には治ってますように
ガチャ
「美夜、そんなところに
ずっと座ってちゃ風邪ひくだろう」
階段に座り込んでいる
美夜は俯いて表情はわからない
『・・・・お父さん寝ちゃったの?』
「うん、疲れたんだね。
そっとしておこうか」
『うん・・・
私、幸せ者だね』
その小さな体を
そっと包み込んだ
「美夜は生まれた時からずっと
誰よりも愛されてきたんだよ。」
『うんっ・・・
お母さんっ・・・・・。』
こうやってお母さんと
口にすることはほとんどなくなった
美夜が叫ぶように言った言葉が
突き刺さった
「ずっとずっと美夜のことを
みていてくれるよ。
俺がそばにいる限り、
絶対に美夜は一人なんかにならないよ
漣さんも俺も誰よりも
美夜のこと愛してるから。
どうかそれだけは疑わないでいてね」
俺のシャツを握りしめ
首元ですすり泣く彼女に
俺は何をしてあげられるんだろう
美夜を腕に抱きながら
俺は遠くに意識が飛んでいった
