そんな大翔を私は
我儘でしばりつけている


他の誰にも彼を取られたくなくて
彼の優しさに甘えて



そばにいて



まるで呪いのように
彼に浴びせる私の口癖




彼はそれに笑顔で答えてくれる




いつだって彼は私の望む
一番の選択をしてくれる





私の我儘で縛りつけているのだから
私にはこの気持ちを彼に告げる
権利はないとわかっていた


いつか彼を自由にしてあげなきゃいけないこともわかっていた



そのことを考えるだけで
心臓がつぶれそうで
息がうまくできない






「あなたのその歌声を
一番に活かせるその曲を
作っている人もすごいんでしょうね


誰よりもあなたを理解することに
長けている


あなたは幸せね」


その綺麗な顔で
私にとっての毒を吐



彼のそばにいる


そんな幸せはこれ以上ないと
わかっている


でもそれでも私はそれ以上を
頭ではいけないとわかっていても
望んでしまうことがあった