コンコンっ
「どうぞ。」
もう来客らしい
来客は来ないはずなんだけど
入ってきたのは
俺の隅にやった怒りを
再び爆発させる男だった
「・・・・美夜ちゃん。」
そいつの顔を見た美夜は
一瞬顔をしかめすぐ無表情になった
親しい人間には見せる
豊かな表情は今はない
「・・・何しに来た?
お前の顔を一番見たくなかったけど」
わざわざ双子揃っての登場だ
「一言謝りたくて伺ったわ。」
「本当にすまなかった・・・。」
頭の下げる男に俺も美夜も
ハヤテたちも表情は動かない
『別に謝ってほしいなんて
思ってない。
あなたのせいだなんて思っていないし
謝られる理由がない』
「原因を作ったのは俺で!」
『あなたは私を何も知らない
そんなあなたが言った言葉で
勝手に私は動揺した
その結果事故だった。
誰にも予想できなかった
私自身も。
だからあなたのせいとは
思ってない』
