ミーアキャット






『私そんなにお荷物になってる?
私って大翔にとって妹みたいでしかない?

そんなに頼りない!?』



叫ぶように言う美夜はついに
泣き始めた



「美夜、落ち着いて。
大丈夫大丈夫だよ。」


ゆっくりと息をするように
肩をなでる



美夜はパニックになると
過呼吸を起こしやすい



ただでさえ手術で負担が
体にかかっているのにいま
発作が起きたら大変だ




2、3回深呼吸をして
美夜の呼吸は落ち着く




『私には何でも言ってほしいの

私は弱虫で泣き虫で
歌ぐらいしかとりえがないし
大翔がいないともう息もできないよ

お願いだからそんな目で笑わないでっ』




「・・・俺どんな目してる?」



『私たちの終わりを覚悟してる目』




・・・・・美夜の言葉を
最後まで聞かず俺は勝手に
思い込んでいた


美夜からは今すぐじゃなくても
終わりの期限を言い渡されるような
そんな覚悟を




「・・・・ごめん、美夜。」



そう言った瞬間また止まったはずの涙が
溢れてきた





「泣かないで美夜。」