背中の傷のせいで
まっすぐ寝られない美夜は
横向きながら俺の頬に手を伸ばす
『大翔のせいなんかじゃない
これは私の心の弱さのせい。
大翔はいつだって私のそばにいてくれる
私だけの味方でいてくれてるよ?』
「違うよ・・。俺はいつも大事な時に
そばにいてやれてない」
『大翔。』
悲しそうに俺の名前を呼ぶ
美夜につられてまっすぐ美夜の顔を
見る
『大翔の心がいつもそばにいてくれてるって
私ちゃんとわかってるよ。
大翔が私のためにいろいろ
犠牲にしてきたのも私知ってる。
それでも私は我儘だから、
大翔に何を捨てさせても
私のそばから離したくなかった』
「美夜・・」
『私、強くなって見せるから。
一人でちゃんと歩いて見せるから』
「っ・・・。」
決意するみたいに
俺から離れていくみたいに
美夜の綺麗な声が紡がれてく
『だから、』
さよならを告げられるんだろうか
口だけのただの幼馴染
これからくる絶望に
俺はどうすればいいんだ
何を思って生きていけばいいんだ
『大翔?大丈夫?』
「・・・大丈夫だよ。
俺は大丈夫だよ、」
