双子の席は俺たちから少し離れたところ



小さく安心したのは気のせいじゃない




「美夜。」


『ん?』


「あの双子、特に男の方には
気を付けてね」


『ん、わかった』


俺の方に振りかえって
頷いた彼女の頭をふわっと
なでる



「いい子。」



目を細める彼女に
昔から頭をなでられるの
好きだったなと思い返す



ぶるぶるっ


携帯が震えた



「・・・はぁ。
美夜仕事入った。」


『・・・わかった。』


「美夜は昼からの集合で
大丈夫らしい

俺一人先に行ってても
大丈夫?』



今この瞬間美夜から
離れるのはだいぶ危険だと
頭ではわかってるんだ


でも美夜の曲を
他の誰にも譲りたくない


そんな思いから俺は
内心焦っていたのも事実



『大丈夫だよ。
すぐ私も行くから。』



「ん、待ってる。」



小さく美夜の額に
キスを落として俺は教室を出た



「美夜のこと頼むな」



2人に伝言も忘れずに