いつも通りの一日のはずだった。
俺たちはいつも通り
音楽室でサボっていた
穏やかな生活だった
けどそれは教室に赴いたことで
崩れていった気がした
ガラガラっ
「おー大翔、美夜」
「美夜、遅いわよ」
『ごめんね。でもどうしたの?
この騒ぎ、何かあった?』
確かに教室の中は
いつもより色めき立っていた
「あれ?美夜知らないの?
今日からあの麗華と麗央が
転校してくるのよ?」
『だれそれ?』
「おいおい
今を時めくトップシンガーは
業界には疎いのか?」
「美夜はあまり他の
ジャンルの人には興味がないからね」
『大翔知ってるの?』
「うん、知ってるよ。
今注目の双子のモデル兼俳優だよ」
『へぇー。』
その男が美夜狙いだって言うのは
この業界じゃ知らない人はいないって
ぐらい有名なんだけどね
小さな不安はやがて大きな
絶望へ近づいていく