美夜を抱きしめ
落ち着くまでそのままでいた


小さなその体に
ふりかかえる大きなもを
少しでも俺の肩に分けてもらえるように




美夜はそのうち眠りにつき
そっとベットに運んだ



美夜が寝静まり
風呂に入る



「はぁ・・・もうそろそろか。

おばさんの命日。」



美夜はその日が近づくと
トラウマのように
不安定になる



何も食べず眠らず
何も語らない


その日の前後一週間は
美夜は別人のようになってしまう




「早く、美夜を助けてあげないとな」



誰か失う悲しみはそう簡単には
癒えてくれない



けどその悲しみはいつか
小さく小さく心の片隅に
寄ってくれる



なくなりはしないけど
乗り越えていける



時間が解決してくれるんだ


焦ることない


美夜の不安の分だけ
俺は安心してもらいたい



不安以上の安心を与えられる
存在でありたいんだ