俺たちは高3になった



あまりメディアに露出するのが
いやで俺たちは芸能コースのある
学校へ進学していた


学校はそれなりに好きで
俺も美夜もそれなりに真面目に
学校には行っていた



美夜のお気に入りの場所は
第3音楽室


普段は人の出入りがなく
滅多に使われない音楽室


大きな窓が一つ
ピアノがひっそりとある
その教室が美夜は一年生の頃
から来続けた



彼女はいつもそこで
窓を開け昼寝をする


風邪をひいてしまうと
注意をする毎日だけど
聞いてくれたことはない



だから俺は毎日彼女のための
ブランケットを持ち歩いてたりする





『大翔、新曲どんなの?』



「今回はバラードかな

ドラマに合わせて失恋系」




ドラマのエンディングに流す曲



『またそんなのか』



彼女は寝ながらため息をつく




「俺の曲歌いたい?」


『うん、誰にも何にも
指図されてない
大翔だけの言葉で作った
曲が歌いたい』




「そういうと思った。
シングル、出すよ」



『え?』



「俺の曲
書いたんだ、歌ってくれる?」




『っ!!もちろん!!!
歌いたい!!!』