「あれ?愛梨?」

チリンチリンとベルを鳴らす男。
私の幼なじみである三住 涼介だ。

「りょーすけぇー!!」

文化部なのに走っている私のつらさを知ってほしくて涼介にすがる。
もちろん自転車に乗っている人にすがりつくのは危険で。
ぐらぐらと揺れる。

「ばっか!お前!危ないだろ!」

「私遅刻しそうなの!後ろに乗せてくれたらとってもうれしい!」

「いやいや、君が乗ったら壊れるでしょ!」

「んなわけあるか!」