耳を塞いでもまだ声は聞こえて。






むしろどんどん、声が迫ってくる。







人差し指をきつく耳の中に刺した。






誰か…助けて……







道の真ん中で座り込んだ。







目をきゅっときつく閉じる。







存在を小さくして、周りに気付かれないように。







世界からシャットダウンして、逃げるように。







怖いよ…助けて…!







すると、頬に暖かいなにかを感じた。







私、泣いてる?







これは夢?






そう思った瞬間、今まで見ていた風景…いや、夢がぱっと消えた。







目を開けると真っ暗で、目を開けているのかどうかもわからなかった。