「お前は、どうしてこうも警戒心とか無いんだ!?
そもそも、そんな美味しい話に裏があることぐらい
分からないのか?
大体お前は……いつもだな」

コタツの近くで正座にさせられる。

ガミガミと説教されるが、そもそも何で
私は、課長に叱られないとならないんだ?

恋人ならまだしも……あんたは、
私の上司なだけだろ?

私が誰と付き合うが関係ないじゃん。
理不尽だ。

ムスッと頬を膨らませていると

「おい。聞いているのか!?お前は、
前から人の忠告を聞かない時があるが
どうして、そうもいい加減なんだ!?」

そんなこと言われても……知らねぇーし。

叱られながらチラッと課長を見る。

それにしても……。
どうでもいいんだけど……何で
説教をしながら高速で編み物しているんだ?

ガミガミと言いながらも
赤い毛糸でマフラーを編んでいく。

器用ながらも今、やる必要ではなくねぇ?

「あの……課長」

「あっ?なんだ?」

「何で、編み物を……しているんッスか?」

ビクビクしながら質問をしてみる。

するとギロッと睨まれる。

ビクッ!!

思わず肩を震わせた。