「姫ってこう……守りたくなるような
か弱く可愛いイメージが強いが
お前は、違うだろ?
つり目の美人だが、かなり口が悪い。
その上かなりガサツだし……絶対に総長や周りと
混ざって喧嘩とかしていただろ?」

ギクッ!!ギクッ!!

課長って……エスパー!!?

見事に全部当ててしまった。

だ、だって仕方がないじゃん。
姫ってラクじゃないんだぞ!?

バカ彼氏の匠は、喧嘩に夢中になると
私を放っておかれるし

自分の身は、自分の身で守っていたら
気づいたら喧嘩が強くなっちゃうし。

もともと、そっちの才能があったのかも
しれないが。

そうしたら周りに
総長より強い女だと噂を立てられ
女総長だと恐れられる存在になってしまった。

全部……元カレのせいだ。

私だって本当は、漫画や小説みたいに
総長に守られるような
か弱い姫に憧れていたのに……。

「しょうがないじゃん。
匠……バカな彼氏のせいで強くなっちゃったんだから」

ムスッと頬を膨らませた。

「強いのは、いいが……もう社会人なんだ。
言葉遣いや軽率な行動には、気を付けろよ?
俺だからいいものの……取引先だったら
悪い印象を与えるし、それが意中の男なら
間違いなく引くぞ?」

えっえぇっー!!?

「な、何でですか!?
引くって、私そんなに引かれるような女なんッスか?
冗談じゃねぇーつっーの」

驚きと失礼な言葉に口が悪くなってしまった。