まぁ、ヘルメットに被っているのが
若干残念だけど……。

こんな風にバイクの後ろを乗るのは、
匠以来だ。

懐かしく……何だか
心臓がドキドキと高鳴っていた。

信号に停まると課長が

「そういえば、前から気になっていたんだが
生田って……元ヤンだろ?」

突然そんなことを質問してきた。

ギクッ!!

運転していたはずの課長が急に衝撃なことを
ぶち込んできた。

「な、何で……それを!?
いや、違います。
正確には、総長の姫をやっていました!!」

あ、勢いあまって認めるどころか
総長の姫だとバラしてしまった。

「姫……?何だそれは?」

「総長の彼女だから……姫。
まぁ総長は、暴走族からしたら
王様みたいなものだから
そういう愛称で言われいるんです!
まぁ姫みたいに守られる立場と言う意味もあるけど」

自分で説明していて照れてしまう。

姫なんて……自分で言うと結構恥ずかしい。
もうそれなりの年だから……余計に。

「ふーん。今は、いろんな呼び方があるんだな?
でもお前は、姫より女総長ってイメージだな」

「どう言う意味ッスか!?それ?」

陰で『女総長』と言われ続けられたけど
あながち間違いではないが……失礼だろ!?
おい。