”好きです”
”好きなの”
”付き合ってください”
”恋人になってくれませんか?”

「はぁ……」

私は今日、何度目かわからないため息をついた。何度も心の中でしか言えない告白の言葉。君のことが気になり始めて早1年が経った。ただ遠くから見つめるだけ。声をかけることもできない。ただクラスが同じだけの同級生。でも、その関係はもうじき終わる。
明日、私がこの学校を転校するから。理由は至って普通の”親の転勤”。
私のお別れ会が終わって静まり返った教室。今は夕日でオレンジ色に染まっていた。ここにいるのは私1人。座っていた自分の席を立ち、2個隣の席の方へと歩き出そうとした時、

「何してるの?」

教室の入口から声をかけられた。