オレは絵里と別れ、新堂を連れてB・Wに向かった。
その途中、近くの廃工場の前に数台のパトカーが停まっていて、人だかりが出来ていた。

「新堂、なんかあったか?」
「知らなぁい。だって私さっきまで出掛けてたもん♪」

「そっか…まぁいいや。日も暮れてきたし、急ぐぞ。」

少々気になったが、俺は先を急いだ。

B・Wに着くとカイトがいつもの席で寝ていた。

「おい!起きろ!」

そう耳元で叫び、カイトを叩き起こした。

「なんやねん…やっと寝たとこやったのに…」

不機嫌MAXの顔でカイトが言った。

「わりぃ!急用だ!こないだカメラに映ってた女の子連れてきた。」

自慢気に新堂を指さして俺は答えた。

「ほぉ~。ディスクはまだデッキに入っとるからマスターに頼みぃや。」

ビックリするほどノーリアクションでカイトが言った。

俺はマスターに頼んで再生してもらい、新堂に見せた。

「これは高木が殺された瞬間の映像だ。ここに大河内とお前が映ってる。どういうことか教えてくれ。」

俺は画面を指でトントンと差し、新堂に問い質した。
すると急に新堂は怯えたような表情をした。