「どちらへ行きますの?」



そこへ別の声が割り込んできた。



リリだ。



「…!榊さん…」



「何かご用がありまして?私、園原さんにお話ししたいことがあるの」



リリの目は真っ直ぐすぎて怖い。



意志の強い目が、私の腕を掴む女子をひるませていく。



さすがリリ…



私と話すときは一般人の会話のくせして、お嬢様言葉も使えるなんて。



煽ってるようにしか聞こえないけど。