「美羽ちゃん、オレだって、いっぱい秘密にしてるんだよ」



「ん?」



背中越しに、シバくんの小さな声が、ぷつりぷつりと途切れながら。



「…なんだよ…」



「なにシバくん?聞こえない。そっち向いてもいい?」



「だーめ」



私を抱きしめる力を強くしたシバくんは、私の髪に優しくキスをして、そのまま眠ってしまった。



いつものシバくんなのに、何でどこか切なそうな声。



玉城さんもシバくんも、私の中で拭いきれてないものがいっぱいある。



私はお腹に回るシバくんの手に小さく触れて、静かに目を瞑った。