「シバも、上条に抱きついて寝てたろ。それと同じだよ」



浴衣の合わせを直しながら、玉城さんは言う。



「抱きついてねーし!」



近くにいた上条さんを叩いて、シバくんは声を荒げた。



「いって…」



かわいそうな上条さん。



一瞬の沈黙が流れたあと、シバくんは小さく口を開いた。



「…タマっていつもそうだよね」



その消え入りそうな声に、今までの迫力は見当たらず。



その目はまるで、玉城さんを軽蔑するかのよう。