「いい匂い」



と、玉城さんがいきなりそんなことを言う。



「へ…?」



間抜けな声をあげて、玉城さんを見上げようとした瞬間だった。



「!」



頭の後ろに手を回され、優しく抱きしめられる。



包まれるような感覚に、なにをされてるのか一瞬理解できなかった。



玉城さんの胸元におでこが当たり、ほんのりと香るせっけんの匂い。



「おやすみ」



いつも、こんなことしないのに。