返事をする間も無く、シバくんと玉城さんは見えなくなって行く。



「なんなのシバくん…」



「俺がなんとかするから、心配しなくていいよ」



ああ、仏様の囁きが。



「ありがとうございます…」



「確かこのあと、海行くんだったよね」



腕時計に目をやりながら、上条さんが言った。



そういえば、そんなことを言っていた気もする。



「海!楽しみですね…!」



完全に気を緩めた笑みを上条さんに向けてしまい、慌ててハッとする。