まるで誰かのために、前の席を空けてたかのように…



「じゃあお言葉に甘えて、座らせてもらおっか園原さん」



「あ、はい!」



上条さんが私の方の椅子を引きながら、そう笑いかける。



なんてレディファーストな紳士なんだ…



「ありがとうございます」



「おい上条!美羽ちゃんに惚れんなよ!」



シバくんがガルルルと牙をむいて、上条さんを睨んだ。



上条さんは眉を下げて笑うと、「はいはい」と大人な対応。



「上条さんはシバくんと違って大人だからね、私すっごく楽しいよ」



「ちょ、美羽ちゃんそれどういうこと…!?」