パンに急いでかぶりつくシバくんに、ふふっと笑みを零す。



シバくんがいることで朝が少し騒がしくなったけど、私はこれが好きだったりする。



あれがないこれがないと、朝になって騒いだり、もう出る時間なのに用意が終わってなかったり。



玉城さんには絶対にないミスを犯すのがシバくんで。



「シバくんもう出るよー!」



「あ、ちょ、まって!」



7月の、もわっとした風と共に玄関のドアを開けながら、シバくんを呼ぶ。



今日もまた慌ただしい。



「毎日毎日、シバくんって飽きないですね」



後ろにいる玉城さんに話しかけると、困ったように笑いながら頷いた。