「あの、その話本当なのかな?」
「は?何言ってんのよ雪乃。記憶が無くなった理由、知ってるよね?」
取り巻きの女の子は、驚いたように北園さんの肩を揺する。
北園さん、急にどうしたんだろう。
もしかして、何か思い出したのかな?
「うん、それはみんなから聞いたから知ってる」
北園さんはそう言って、「でも」と話を続けた。
「雨音さんを見てると、なんだか私……すごく、申し訳ない気持ちになるんだ」
「え……?」
今度は、私が驚く番だった。
私を見ていると申し訳ないって、どうして……。
まさか、イジメられてる私への同情?


