この恋が罪だとしても




***

昼休み、私はいつものようにカバンを持つと、教室を出ようと立ち上がった。


それに、隣の席の泉くんがビクリと肩を震わす。


……え?

こんなこと、一度もなかったのに……。

私の存在は憎むべき相手で、視界に入れるのさえ嫌がっていたはず……。

だからか、こうして私の動きに反応する泉くんが珍しかった。


「ねぇ晴希くん、今日はバイト?」

「え、あ、あぁ……」


すると、泉くんの席へ北園がやってくる。

2人は、記憶が無くても、どこからどうみてもお似合いの恋人だった。