「お前は、どうすんだよ?」
「……平気、それよりそれ使って」
八雲に途中まで入れてもらえばいいだけの話。
なんて……本当は、私が泉くんに何かしたくてしたことだ。
「それじゃあ……」
「待てって!」
それだけ言って、昇降口に戻ろうとした私の手を、泉くんが掴んで引き止めた。
「私の傘なんて借りたくないと思うけど、使い終わったら捨てていいから……」
「俺は、そういうことを言ってるんじゃねーよ」
「なら……」
何が、言いたいんだろう。
泉くんの言いたいことが、全然分からない。
どうして、私を引き止めるのかも……。


