「ひさかたの……は、天や雨、月などの空に関係する言葉を導く枕詞になっています」
授業中、多くの人が机に突っ伏して寝ていたり、こっそり読書をしていたりしている。
その中で、私だけは古典の授業に耳を傾けていた。
不意に隣が気になって、私は泉くんの方をこっそりと見る。
「…………」
すると、泉くんは真剣に先生の話に耳を傾けていた。
意外……泉くんは寝てると思ってた。
もしかして、古典とか好きなのかな?
そんなことを考えながら泉くんを見つめていると、驚くべきことに、泉くんは私の方を見た。
「……つか、何見てんだよ」
先に声を上げたのは泉くん。
小声でそう言って、私を睨みつけてくる。


