この恋が罪だとしても



***


放課後、担任から雑用を頼まれた私は、普段帰れるはずの時間から1時間以上もオーバーして教室を出た。

だからか、教室にも廊下にも生徒はいない。

みんな帰宅したか、部活に行ったかのどちらかだろう。

そう思っていた矢先、

――タッタッタッ。


「はぁっ、はっ」

目の前から全力で走ってくる女子生徒を見つけた。

まだ、誰か残ってたんだ……。

そんなことを考えながら、夕暮れに染まる廊下を歩いていると、目の前から走ってくる女子生徒は、盛大に転けた。


「いったぁぁーーいっ!!」

「……え?」

ズササッと、まるでマンガのように正面から転んだ女子生徒を、私は呆然と見つめる。


あれは、かなり痛そうだった。

助け起こした方がいいかな、だけど……。