この恋が罪だとしても




「私が、周りも見ずに、キーホルダーなんか取ろうとしたから……」

私は、制服のスカートのポケットに入れているテディベアーのキーホルダーを取り出した。


「それ、本当に大事にしてるよね」

「……私の物じゃないんだけどね」


あの日、捨てられてしまったテディベアーは、私が成り行きで預かっている。


こうして肌身離さず持っているのは、なんとなく……愛着が湧いてしまったからかもしれない。


「少なくとも、話を聞いた限り、俺は梓のせいじゃないと思うけど」

「……理由は何にせよ、私が泉くんの大切な人の記憶を奪ってしまった……。その事実は、変わらない」


テディベアーを両手で包むと、それをギュッと握った。

私は……大好きなあの人を、不幸にしてしまった。

それは、この一生をかけて償わなきゃ。

あとは、なんとかして北園さんの記憶を取り戻せるように、手助けしたい。